「蟹の王様」と呼ばれるタラバガニの旬はいつ?


タラバガニは手足を広げると1mにもなり「蟹の王様」といわれるほど圧倒的なボリュームのある人気のカニです。希少性も高く、特に2013年以降は価格高騰、品薄状態になることは間違いないでしょう。これまで手頃でな価格でボリューム満点だったロシア産が、これからは高級ブランドになるかもしれませんね。


旬カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

漁場により年に数回旬があります。1月〜5月が旬ですが、4月、5月は甘味が一番あり、9月、10月は身が多く食べ応えがあります。


生息地
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タラバガニの自然生息地は日本海、オホーツク海、ベーリング海を含む北太平洋と北極海のアラスカ沿岸、ガラパゴス諸島、チリ、アルゼンチン付近です。日本の太平洋沿岸では、駿河湾や徳島県沖の水深約850〜約1,100mの海域での生息も記録されています。


現在はロシア・ノルウェー国境沖のバレンツ海にも生息しており、その生息領域は広がりつつあります。理由は1960年代に旧・ソビエト連邦の科学者がバレンツ海に放流し、繁殖させることに成功したためだからです。


希少性が高くなって来てる?
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日本での主な漁場はオホーツク海で、沖合底引き網や刺し網で漁獲されます。名前の由来は「鱈」の「漁場」でよく獲れたため、「鱈場蟹(鱈の漁場の蟹)、タラバガニ」と呼ばれるようになった。近年代より、乱獲によって生息数が減少し、漁獲量は年々減少傾向にあります。


現在日本では年々個体数を減らしており、保護のために農林水産省令で「タラバ」蟹類採捕取締規則という法令により、メスの採捕が禁止されています。しかし販売についての規制は特になく、ロシアからの輸入品が「子持ちタラバ」として流通しています。つまり日本産は存在しません。もし日本産、国産と称して販売されていれば、それは「違法漁獲」されたモノか、ニセモノ、あるいは産地偽装ですので気をつけましょう。


日本の漁場での漁場量の減少により、輸入に頼らざるを得ないのが現状です。主な輸入先はロシア、アメリカ、ノルウェー、アルゼンチンなどです。特にロシアからの輸入がなんと85%を占めています。私たちが今の値段で食べられるのもロシアからの輸入のおかげなのです。


今後価格が2倍、3倍になる?

先ほどもお話しした通り、国内で流通する殆どのタラバガニは輸入に頼っており、その中でもロシアからの輸入が85%も占めています。2012年9月8日、日本とロシアの間で「水産物の密漁・密輸出対策に関する協定」が結ばれました。この協定によりロシアからの海産物の輸入取締りがより厳しくなります。


これが何を意味するのかというと、これまでロシアから輸入されていた「水産物」のなんと80%以上が密漁、密輸による輸入だと言われており、正規品はわずか16%程度だと言われています。ロシアは水産物のあらゆる種に年間の漁獲量を定めています。


しかし獲れば日本で飛ぶように売れるタラバガニはロシア人の間で「黄金の蟹」と呼ばれ、年間漁獲量を遥かに超える「密漁」が横行したのです。密漁に支えられていたロシアからの輸入が2013年には、この協定により激減すると業界で言われています。


ふたを開けて見なければ分かりませんが、輸入量が減る事は確かでしょう。流通量が減れば自然と希少性が増し、価格が上がる事は確かです。2倍、3倍になるかは、これからの販売会社の努力と業界の尽力に期待するしかありません。

騙されるな!アブラガニとの違い!
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購入するときに気をつけなければいけないのが、類似種の「アブラガニ」の存在です。アブラガニはタラバガニとよく似ているため、素人が見ても非常に分かりづらいのです。現在はアブラガニを「タラバガニ」と表示して販売することは「不当景品類及び不当表示防止法」の違反として禁止されています。


「今後価格が2倍、3倍になる?」で、お話しした通り、仕入れが困難になった場合、アブラガニをタラバガニとして偽装販売する業者も出て来ないとは言い切れません。我々消費者が正しい知識を身に付け、自己防衛することも必要です。ここでアブラガニとの簡単な見分け方をここで説明します。


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画像を見て頂ければ一目瞭然だと思います。甲羅の背中の突起の数で判断できます。


見分け方@

  • 甲羅中央の突起が6つあるのがタラバガニ
  • 甲羅中央の突起が4つあるのがアブラガニ

見分け方A

画像を用意できませんでした。申し訳ありません。もう一つの見分け方は、茹でたときに赤みがかる違いがあります。


  • 茹でた時に脚の裏側まで赤くなるのがタラバガニ
  • 茹でた時に脚の裏側半分くらいまでしか赤くならないのがアブラガニ

画像がないのでわかりづらいと思いますので、画像があって詳しい説明のある「活蟹のカネセン新鮮組」さんの説明ページを参考にしてください。タラバガニは大きいため、一匹丸ごと販売することは少なく、スーパー、百貨店、インターネット販売などは大抵、脚のみボイルして販売することが多いのです。


ですので、突起の数で見分ける事は、朝市や北海道など産地に行かないと出来ないことが多いのです。一般的な素人が見分けるならやはり「茹でたときの赤み具合」で判断するのが一番いいと思います。しかし、中々素人だと見分けがつかない場合が多く、特にインターネット通販だと「商品が到着するまで分からない」というのが普通でしょう。


この場合の消費者側の対策としては「レシートを保管しておく」という事です。また、インターネット通販の場合は「注文メールを保管しておく」という事と「配送伝票を保管しておく」ということです。後で「返品、返金」などの時に必ず必要になるので、大切に保管しておきましょう。


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